2026年1月「不快にフタをする育ち」~発達の土台としての排泄育児~

これは誰かをジャッジする話ではありません

今回のテーマは「発達障害もどき」と呼ばれることがある現象についてですが、
これは 発達障害という診断や、親の関わりの良し悪しを語るものではありません。

どんなに丁寧に向き合って育児をしていても、
大人が気づけない不快や、環境の小さな積み重ねが生じるのは誰にでもある
当たり前のことです。
誰かが悪いわけではなく、どんな家庭でも自然に起こりうることです。

そしてここで扱うのは、
本来の発達障害とは異なり、あとから整えていける領域の話。
つまり、「今ここから変えられること」を扱うコラムです。

その前提があることをまずは伝えておきたいと思います。

目次

「発達障害もどき」とは?

妊娠期や新生児期には特に問題が見られなかった赤ちゃんが、
成長の中での気質・日常環境・不快サインの積み重ねなどが絡み、
結果として 、発達障害のように見える状態に至ることがあります。
これを「発達障害もどき」と呼ぶことがあります。

もちろん、これは 医学的な診断がつくようなものではありません。
状態の見え方が似てくるというだけのことです。

ただし、乳幼児期の環境や身体の状態が積み重なることで、
発達障害に似た行動が強まることは確かにあります。
ですが、ここが大事。
この領域は後から整う余地がとても大きいのです。

赤ちゃんは「快・不快の経験」を通して発達する

私たち大人が普段あまり意識していない身体感覚。
暑い、寒い、まぶしい、ムズムズする、お腹が重い。
こうした、なんとなくの不快は、赤ちゃんにとっては
世界と自分をつなぐ大事な情報そのものです。

生後すぐの赤ちゃんは、言葉を持つ代わりに
泣き方や身体の動きで不快を伝え、大人がそのサインを汲み取ることで

  • 快適に整えてもらう
  • 安心できる
  • 「助けてもらえる」という感覚を得る

という経験を積み重ねます。

これが快不快の感覚形成であり、実際には愛着形成にも通ずるものでもある
とても重要な経験(積み重ね)であります。

この「不快→調整→安心」の循環こそが、
将来の情緒の安定や自己調整力の基盤になります。

不快がそのままになりがちな環境で何が起こる?

ここでいう“フタをされる”とは、誰かが意図的に無視するという意味ではありません。
大人が忙しかったり、赤ちゃん側のサインが繊細だったり、
単に気づきにくいケースも多々あります。
だからこそ、これは「よくあること」でもあるんです。

ただ、不快がそのまま残る状態が積み重なると、
赤ちゃんは自分の身を守るために、次のような適応を見せ始めます。

  • 身体の緊張が当たり前になる
    常にどこかがモヤモヤする、心地悪い。
    こうした感覚に慣れすぎると、身体は自然と緊張を強めます。
    この緊張は、身体が反る、寝つきが浅い、姿勢が固まる、抱っこで落ち着きにくい、
    月齢が経つと癇癪などにつながる、日常のささいな場面に影響していきます。
  • 感覚の“過敏・鈍麻”が育つ
    不快を感じても解消されない経験が続くと、脳は
    「この感覚、拾わないほうがラクだ」と判断することがあります。
    その結果、
    ・触られると突然イヤがる
    ・音にだけ過敏に反応する
    ・逆に、自分の身体の変化には鈍くなる
    といった 感覚のアンバランスが生じることがあります。
  • 情緒の揺れが強まりやすい
    本来なら「泣く→落ち着ける」の繰り返しで整っていく心の働きが、うまく積み上がらないと
    ・癇癪が強い
    ・切り替えが苦手
    ・抱っこでの回復に時間がかかる
    など、発達障害に似た行動が見えやすくなります。

これらはすべて、
赤ちゃんが環境に適応した結果として起こる状態です。
つまり心地よく生きたいという熱望の故になるべくして起こった工夫の現れ
生きる術でもあるのです。

誰かのせいではなく、
ただ「そうせざるを得なかった」だけのことなんです。

「発達障害になる」のではなく、状態が “似て見える”

ここを正確に言葉にすると、
環境が特性をつくるのではなく、
状態が特性のように見えるところまで強まることがある、 ということ。

そしてこの状態は、
発達障害とは異なり、可塑性(変わる力)が大きい のが特徴です。

大人の関わり方、生活環境の調整、
からだの緊張をゆるめるサポートなどによって、
少しずつほどけていくケースはたくさんあります。

逆に言えば、見え方は似ていても、
子どもの内側で起きていることは「治らない特性」とは別の現象なのです。

今ここから整えられる

育児というのは、どうやっても完璧にはいきません。
毎日、大人も子どもも精一杯で、
知らないうちに“不快にフタをせざるを得ない状況”は普通に起こります。

大切なのは、
「こうなっていたらダメだった」というジャッジではなく、
“今ここから、整え直すことができる”という視点 です。

身体の緊張はゆるめられます。
感覚の偏りは育ち直します。
情緒は時間をかければ安定していきます。

そして、赤ちゃんも子どもも、大人の変化や環境の変化に驚くほど敏感で柔軟です。
どの段階からでも、発達の軌道を取り戻すことは可能です。

すべてのスタートが排泄育児

発達障害もどきの状態にならないように、しっかりと育んでいくには、
シンプルに食う寝る出すをしっかりと見据えること。
また、育児の中では必ず行うトイトレ(=排泄育児)
これをしっかりやることがスタートだと私は思います。

《不快が積み重なると発達障害のように見える状態は起き得る》

  • 排泄前の微細な不快がわからない。
  • 排泄してても紙おむつがサッと吸収してくれる
  • 排泄後も紙おむつが不快を感じさせないようにしてくれる。

これらも、言葉はきついかもしれませんが、不快に蓋をしてしまっている状態
とも言えると思います。

子どもの発達は一直線ではなく、時に揺れたり戻ったりしながら進んでいきます。
だからこそ、不快を一緒に読み解いて、快に整えていく。
この経験を親子で培う、これが排泄育児の大きなテーマだと思います。

今回は発達からの視点で、排泄育児の大切さを説いてみました。
2026年一発目、心新たに、今年も一緒に排泄育児を大切に進めていきましょう♪

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